光る君へ〜あさぎ色と薄紅色

あんフラワー

『私が好きなのは 青。空のような』

『誰がこの様な あさぎ色のものを  中宮様は薄紅色がお好きだともうしたであろう』

色を使って孤独を表現。粋であります。

ところで、色というのはいつ頃から存在したのだろう・・・と思って調べてみみました。

諸説あるかと思うけど、3世紀初頭、弥生時代にはある程度の染色技術があったとされています。

日本最古の色名は、「古事記」712年「日本書紀」720年には

しろ、くろ、あか、あおが登場し、語尾に「い」をつけて 白い、黒い、赤い、青いと表現できるものに限られます。

歴史の時間に習った冠位十二階は648年までに行われた冠位制度で最高の地位を表す紫が加えられました。

奈良時代の7世紀後半から8世紀後半にかけて編集された「万葉集」には多くの色名が登場します。
茜、紅、紫、梔子、蘇芳、つるばみなど植物の名前が元となったものが多い。

平安時代になると文学的で優美な色名が誕生し、
女性の装束に代表されるような日本独自の繊細で美しい色彩文化が花開くのです。

紅梅、桜、山吹、卯の花、柳、撫子、朽葉、枯野など、植物の名前だけでなくイメージが色名になってくる
動物からとられた色名もあり 朱鷺色、鶯色、鼠色、狐色などがあります。

平安時代のような美しい色彩はもっぱら貴族や宮廷用であり、一般の庶民にはまったくの無縁でした。

華やかな色彩的な感性は、鎌倉時代以降の武士の世にも保たれましたが
武家社会では「侘び寂び」の精神が重んじられ、枯れた渋みのある色を好む感性も生まれました。

江戸時代になると、木綿の普及とともに藍染がに盛んに行われるようになりました。

このようにざっくり色の歴史を振り返って見ると 画面から溢れる雅な色彩に心ときめくのは納得です。